日本観光研究学会

学会について

会長挨拶

会長挨拶

 去る5月28日に開催されました2016年度総会で会長に推挙いただきました阪南大学国際観光学部の吉兼秀夫です。副会長、常務理事、理事の皆様のご協力をいただきながら、今後の学会の発展のために力を尽くしてまいるつもりでございます。
 前会長就任の挨拶に「訪日観光者が1千万人をこえました」の言葉がありました。わずか2年のうちに私は「訪日観光者が2千万人になりました」とお話しすることになりました。さらに本年3月「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」発表では4千万人(2020年)6千万人(2030年)をめざすという数字も飛び交う事態になっています。5月の総会後のシンポジウムでは外国人が多すぎて日本人の足が遠のくことを懸念して、日本人の受け入れキャパシティを確保しようとする取組み事例まで報告されました。円安状況が続きアウトバウンドが低迷する中、国内旅行も手控えられてしまう事態になれば大変残念なことです。インバウンドへの対応を手控えるのではなく、外国人への対応は、多様な価値や文化を持った人々へのきめ細かな対応として捉え、この機会を利用してユニバーサルサービスの観点から外国人だけを特別視するのではなく、全ての観光者のニーズに応える「観光権」の確立も意識した環境整備を加速化することが期待されます。一方地域住民を重要な担い手として快適な環境づくりを進める多様な主体が協働して行なう観光まちづくりも急がれます。私は観光における「図と地」論と称して、従来の有名観光資源(図)だけでなく、生活文化や生活環境等人々の暮らしにふれあえるような観光資源(地)の保存と創造が大切だと主張してきました。従来の観光資源価値の尺度ではないコミュニケーション価値、経験価値のような価値によって計られる「暮らすように旅する」ことのできる豊かな観光地域創造が求められます。多くの外国人観光者はガイドブックの優先順位より彼らの考える本物の日本にふれることを目的にリピートしてくれているのではないでしょうか。それは伝統文化だけでなく、現代の生の日本も含まれます。彼らが鏡となって私達に見せてくれる日本の本物を見落とすこと無く、「日本」という魅力の磁力を高めていきたいものです。
 日本観光研究学会は、日本最大の観光研究者集団であり、これらを科学的な立場から推進する責任を持っています。短い2年間ではありますが、会員の皆様のお力をお借りしながら、研究を活性化する努力をさせて頂く所存でありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 また会員の皆様にはシェア&コミュニケーションのスローガンのもと、情報の共有と多様な意見の交流を最重視した学会ルール確立に向けて努力をいたしますので、積極的参加、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。
 

日本観光研究学会
第16代会長 吉兼 秀夫