特別プロジェクト

能登半島地震・特別プロジェクト

「能登半島地震・特別プロジェクト」第1回研究会開催のお知らせ

◆開催趣旨:
本年元旦に起きた「令和6年能登半島地震」は、その規模の大きさや被災地域の広さ、立地特性等から復旧・復興に長い時間を要しています。被災地域は貴重な自然資源・文化資源を数多く有することから観光への影響も多大なものであると考えられ、観光研究の専門家が集う本学会には、調査研究や政策提言等を通じた貢献が求められています。
今回はその第1回目ということで、現地の状況を熟知されている3名の講演者に登壇いただき、それぞれの立場から情報を提供いただいたのちに意見交換の場を設けます。会員の皆様におかれましては、本プロジェクトの成果を共有することで、個別の研究テーマに沿った調査研究、具体的な復興支援、政策提言等に活用されることを期待します。

【概要】
■日 時:2024年6月15日(土)19:00~21:00
■場 所:オンラインにて開催
■参加資格:本学会会員
■参加費:無料

【当日の進行】
■司会:丸谷耕太氏(金沢大学観光デザイン学類)
19:00~19:05 プロジェクトの趣旨説明
 ・研究代表者:橋本俊哉氏(本学会会長、立教大学)
19:05~20:05 話題提供
 講演者1:佐無田光氏(金沢大学観光デザイン学類長)
 令和6年能登半島地震から考える地域の維持可能性と観光の役割:地域経済の観点から、以下のような内容で概略的な問題提起を行う。
 ・分散型居住形態と地域自治によるレジリエンス
 ・人口減少下での関係人口動態
 ・観光産業への影響と再生の諸段階
 
 講演者2:渡辺綱男氏(国連大学OUIK所長)
 国連大学いしかわ・かなざわオペレーティングユニット(OUIK)が能登の里山里海をテーマに進めてきた活動と今回の地震を受けた復興支援の取り組み、また東日本大震災からの復興で関わった復興国立公園やロングトレイルの経験をお話しします。
講演者3:室崎益輝氏(神戸大学名誉教授)
能登半島震災の特質と課題について説明する。震災の特質では、災害の進化という側面から、自然の強暴化と社会の脆弱化について説明する。課題については、減災のサイクルに即して、予防面と復興面の両面から、社会的背景に即して、石川県と日本社会全体の両面から説明する。

(5分間休憩)
20:10 鼎談 講演者3名による意見交換、補足コメント等
20:30 会員からの質疑と応答
20:50 講演者から本学会、本学会会員へのメッセージ

■参加を希望される方は、下記フォームよりお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSembQ-joYfc4uHMLqWtJjHIwKR5Fa2ZbkWGR_muwenTusUhKg/viewform?usp=sf_link

■参加申込期限:2024年6月8日(土)

※当日のZoomの接続先は6月12日(水)までにお送りします。万一、12日までに届かない場合は、迷惑メールのフォルダに入っている可能性がありますので、そちらをご確認ください。それでも届いていない場合、お手数ですが13日(木)中に本プロジェクト事務局(jitr-notop@rikkyo.ac.jp)まで直接メールでお問い合わせください。
それ以降は対応できませんのでご容赦ください。

「能登半島地震・特別プロジェクト」の設置について

<設置の趣旨>
本年元旦に起きた「令和6年能登半島地震」は、その規模の大きさや被災地域の広さ、立地特性等から復旧・復興に長い時間を要し、貴重な自然資源・文化資源を数多く有する地域であることから観光への影響も多大なものであると考えられています。
 本学会では、これまで、2011年に東日本大震災、2020年に首里城焼失と新型コロナウイルスに対して、特別研究や特別プロジェクトに取り組んで参りました。今回の能登半島地震は、3か月経過した現段階においても被災状況の全容が明らかになっておらず、観光面にも深刻な被害が及び、観光研究の専門家が集う本学会には、調査研究や政策提言等を通じた貢献が求められています。
そこで、3月21日に開催された理事会の了承を得たうえで、以下の通り「特別プロジェクト」を設置するものです。

2024年4 月1 日
一般社団法人日本観光研究学会 会長 橋本俊哉

1)基本方針と内容
東日本大震災、首里城の火災時は、観光への影響や政策提言に向けた「特別研究」を募集し研究テーマを掲げて課題に取り組むチームに対して研究助成を行い、新型コロナウイルス時には4つの研究テーマを設定し、新型コロナが旅行・観光にいかなる影響を及ぼしたか、今後どのような対応が期待されるのかについて総合的に研究を行う「特別プロジェクト」を設置しました。
今回の地震により能登半島では地盤隆起が進み、町並みや棚田、輪島朝市等の面的被害、輪島塗の職人・工房や能登塩等の伝統文化、宿泊施設等が軒並み深刻な被害を受けています。今回は未だ被害の全容が把握できていないため特別研究を募集し研究助成を行う形式は困難であり、現在求められているのは、まず現場の被災や観光への影響の把握を優先することと考えられるので、こうした情報共有のプラットフォームづくりを進め、被害の正確な現状把握を中心とした特別プロジェクトを進めることを基本方針とします。
2)進め方
本学会会長(橋本俊哉)を研究代表とし、当面1年間の「特別プロジェクト」として立ち上げ、年4回程度の「研究会」をオンラインで開催します。
研究会では、それぞれの回ごとにテーマを掲げ、能登半島地震による被害の現状把握につとめます。各研究会の日時・テーマ・スピーカー等は開催の1か月程度前に会員の皆様に案内し、予め会員の皆様からの質問を募ることとし、研究会当日は、情報共有にとどまらず、スピーカーと会員の皆様との、活発な意見交換の場としたいと考えています。研究会開催の時期やテーマ等につきましては、改めてご案内しますので、積極的にご参加ください。
なお、本プロジェクトは、金沢大学や北陸在住の本学会会員の他、被災地の自治体や観光協会、日本観光振興協会や公益財団法人日本交通公社等、観光関連調査機関との連携・情報共有の可能性を探りながら進めていきます。

本プロジェクトの成果が会員に共有されることで、個別の研究テーマに沿った調査研究、具体的な復興支援、政策提言等に活用していくことを期待します。
                                                   以上

新型コロナ・特別プロジェクト

2019年末から始まった新型コロナウイルスの感染拡大は、日本のみならず全世界の観光に大きな影響を及ぼしています。旅行・観光は「不要不急」といわれ、国民は「ステイホーム」の呼びかけによって外出そのものを控えるよう政府や自治体によって要請されてきました。そのため交通機関をはじめとする旅行・観光関連産業はほぼ壊滅的な様相を呈し、今後の見通しは厳しい状況です。
しかしながら、衣食住、旅といわれるように、旅行・観光は人々の生活に根差した基本的な活動欲求の一つとなっています。
こうした状況下にあって、観光研究の専門家集団である本学会としても、今回の新型コロナが旅行・観光にどのような影響を及ぼしたのか、また、今後、どのような対応が期待されるのかなどについて、国内のみならず世界的な視点から総合的に研究し、その成果を速やかに公開し、さらにはアーカイブ化しておく必要があると考え、「新型コロナ・特別プロジェクト」を2020年5月に発足しました。本プロジェクトは、定量、国際、変容、方策の4チームで編成し、60名以上の研究者が参画して進められ、2021年5月に報告書をまとめ、公表しました。

新型コロナ・特別プロジェクト報告書(2021年6月発行)