会長 梅川 智也(國學院大學)
2020-2021年度の2年間、第18代会長を務めさせていただくこととなりました。役員や事務局、そして会員の皆様のご協力を賜りながら、学会運営に尽力させていただく所存でおります。
本学会は1986年、日本観光研究者連合として発足、名称を日本観光研究学会と変更しながら本年で34年が経過しました。この間、先達のご努力によって会員数は増加を続け、今では安定的に千人を超える観光研究者が集う日本最大の組織に発展して参りました。
この10年間を振り返ると、観光先進国に向けた政府の取り組み等によって、いわばインバウンド隆盛時代を迎えるとともに、日本人の国内・海外旅行も含めて日本の観光は順調に推移したと総括できます。しかしながら、2011年の東日本大震災以降、全国で自然災害が相次ぎ、加えて記録的な暖冬など旅行・観光にとってのリスクは確実に高まってきています。
そして、今回の新型コロナウィルスの世界的感染拡大です。旅行・観光にどれだけの影響を及ぼし、国民の旅行・観光行動はどう変わっていくのでしょうか。この6月、多様な分野、多様な年代の研究者有志による「新型コロナ・特別プロジェクト」が学会内で創設されたことは、注目していきたいと思います。
こうした喫緊の研究課題と同時に、懸案となっている組織課題も山積しています。歴代会長から引き継いで、次の課題に取り組んで参りたいと存じます。
①「新たな査読付き大会論文制度の創設と審査・運営体制の確立」
②「法人化に向けた取り組みの加速」
③「学会ビジョンの制定」
④「観光研究者ネットワークの強化」
⑤「多様な連携・協働の推進」
以上のような主要課題を中心に、会員の皆様方のご意見を伺いながら、着実に進めて参りたいと存じます。甚だ微力ではありますが、皆様方のご指導、ご鞭撻、そしてご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
2020年6月